NICU環境における騒音: 音が早産児に与える影響 - NICUで早産児の頭に置かれたケア提供者の手

NICU環境における騒音: 音が早産児に与える影響

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神経発達をサポートするための環境と騒音

早産児が新生児病棟内の様々なストレス要因に晒されていることを私たちは理解しており、その1つが騒音である可能性があります。 この場合の課題は、過度な騒音レベルから赤ちゃんを保護するだけでなく、効果的な音刺激の機会を与えることです。 このバランスには、繊細な調整が必要です。

それでは、音量が大きすぎる場合とはどんな場合でしょうか? 何が騒音で、何が健全な刺激なのでしょう? これは早産児が必要とする神経発達のための環境づくりに、どのように貢献するのでしょうか? 急性期医療のスペシャリストとして、私たちはこのトピックのすべての側面を検討するために世界中の専門家と話をしました。 音について、また、騒音が早産児を含むNICU内にいるすべての人に与える影響、聴覚環境と赤ちゃんのアウトカムを改善するために実行すべきことなどについて詳しくご紹介します。

赤ちゃんには何が聞こえているのか

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音についての理解を深めることで、早産児にとってより良い音環境を作り出すことができます。 インフォメーションシートで、デシベル、知覚される音量、赤ちゃんが保育器の中で聞く音、赤ちゃんへの大きな音の影響の概要をご覧ください。

音を理解する

物理的に音を理解していますか? Dr. rer. nat. Juergen Tchorz教授の動画シリーズで、デシベルの感覚、A特性周波数重み付け、音が様々な媒体をどのように移動するか、そしてこれが赤ちゃんにとって何を意味するかについてご覧ください。

音とは何でしょう? –Tchorz教授動画を再生

Prof. Tchorz教授が、音とは物理的に何であるかを解説します。 NICU入院中の早産児にとってより良い音環境を作れるよう、音についてさらに詳しく理解することを目標に、聴力の閾値とデシベルとは何かについて説明します。

周波数とdB(A)を理解する – Tchorz教授動画を再生

Prof. Tchorz教授が周波数が音に果たす役割と、人間の聴覚を考慮した周波数重み付けが開発され、使用されている理由を説明します。 dBとdB(A)の違いがわかるようになります。 NICU入院中の早産児にとってより良い音環境を作れるよう、音についてさらに詳しく理解することが目標です。

様々な媒体と音–Tchorz教授動画を再生

Prof. Tchorz教授が音が様々な媒体をどのように伝わるか、さらに具体的には、音が空気から水または固体に伝わるときに何が起こるかを説明します。 これは、NICUの環境と比較して、子宮内の自然環境を考えるときに特に重要です。 NICU入院中の早産児にとってより良い音環境を作れるよう、音についてさらに詳しく理解することが目標です。

デシベルの感覚–Tchorz教授動画を再生

Prof. Tchorz教授が、いくつかの関連する例を使用して、様々なデシベルレベルがどのように感じられるかを説明します。 音、より具体的にはデシベルレベルについてさらに詳しく理解することで、NICU入院中の早産児にとってより良い音環境を作ることが目標です。

聴覚性方向反応と言語–Tchorz教授動画を再生

Prof. Tchorz教授が、聴覚性方向反応と言語スキルの発達に音がどのように影響するかを説明します。 これは、NICUで早産児が何にさらされているかを考えるときに特に重要であり、 NICU入院中の早産児にとってより良い音環境を作れるよう、音についてさらに詳しく理解することが目標です。

ポジティブな音を取り入れる

NICUは過去30年間で大きく進化しました。 現在、騒音についてどのように考えられているでしょうか。 騒音はユニット内でスタッフやご両親にどのような影響を与えるのでしょうか。 ポジティブな音刺激についてはどうでしょうか?

この分野の専門家、Carole Kenner氏(PhD、 RN) に聞きました。

Carole Kenner氏-NICU文化の進化動画を再生

Carole Kenner氏が、NICU文化が過去30年間でどのように進化してきたか、 最初に働いたNICUを例に、当時と今の環境の違いについて説明します。 彼女は、デベロップメンタルケアの実践は他の治療と同じくらい重要であり、トレーニングもこの分野に焦点を当てるべきであると強調します。

Carole Kenner氏-スタッフやご両親にも影響する騒音動画を再生

Carole Kenner氏が、騒がしいNICU環境がスタッフや親にどのように影響を与えるか、 彼女自身、そして早産児の親の例を用いながら、騒音の影響についてご紹介します。

Carole Kenner氏 好ましい音の刺激動画を再生

音の刺激、そして世界中の様々な医療施設がこのトピックを毎日のケアにどのように取り入れているか、Carole Kenner氏が説明します。 音刺激を導入する方法はたくさんありますが、それがうまくいっているかどうかは赤ちゃんの反応が指標になるため、常に赤ちゃんをモニタリングする必要があります。

適切なNICU設計で騒音を低減&モニタリング

騒音管理とNICUのデザインに関して、考慮すべき3つのこととは何ですか? NICU内の騒音をモニタリングしていますか? モニタリングすべき場所はどこでしょうか?

この分野の専門家、Dr. Robert White(MD)がご紹介します。

NICUのデザインと騒音管理 ‐Dr. White動画を再生

Dr. Whiteは、騒音管理とNICUのデザインに関して考慮しなければならない3つのことについて述べています。 彼自身のチームがサウスベンド(South Bend)で新しい医療ユニットを立ち上げたばかりであり、自らの思考プロセスと直面した課題についても体験を交えて語ります。

Dr. White-保育器内の音のモニタリング動画を再生

NICU内の騒音をモニタリングしていますか? モニタリングすべき場所はどこでしょうか? モニタリングの重要性、より具体的には、赤ちゃんの健全な環境を最もよくケアするためにどこをモニタリングすべきかについてDr. Whiteが語ります。

発達を支えるNICUづくり

赤ちゃんが騒音ストレスを受けているかどうか、どのようにして知ることができるのでしょうか? ストレスは成長にどのような影響を及しますか? 騒音低減に関する実践と、病院全体の関与を促す方法について

この分野の専門家のMary Coughlin氏(RN、MS、NNP)が語ります。

Coughlin氏_騒音が脳へ与える影響動画を再生

Mary Coughlin氏が、脳の発達と、赤ちゃんが経験している騒音ストレスについてどのような知見が存在するか、 このようなストレスが後の人生にどのように影響を与える可能性があるかについて説明します。

Mary Coughlin氏-騒音軽減 - グループでの取り組み動画を再生

Mary Coughlin氏が、騒音低減プログラムやその他のデベロップメンタルケアに焦点を当てたプログラムを実施する前に、病院全体を関与させることの重要性について語ります。 プロジェクトを成功させるには、フロントデスク担当者から看護スタッフ、新生児科医、管理職まで、全員が参加する必要があります。

Mary Coughlin氏-騒音軽減 - ベルギー動画を再生

Mary Coughlin氏が目標策定から作成したプログラムの導入、 そして結果まで、ベルギーにおける実践事例について語ります。 これは一例に過ぎず、再現して確認する必要がありますが、聴覚環境の改善から始めただけで達成できた結果は一見の価値があります。

Mary Coughlin氏 「静かな時間」イニシアチブ-アトランタ動画を再生

Mary Coughlin氏が、医療ユニットを完全に通信網で結び24時間体制で音をモニタリングし、「静かな時間」イニシアチブを導入したアトランタでの良い結果をもたらした事例について説明します。 このプロジェクトでは、明かりを暗くし、医療処置で赤ちゃんを邪魔することを避け、より柔らかい声で話す時間帯を1日に2回導入しました。

本当に大切なところで騒音をモニタリングしていますか?

NICU環境の騒音動画を再生

早産児は子宮内と比較すると、NICU内で様々な音にさらされます。 チリのサンティアゴにある新生児治療室の責任者であるAndres Maturana氏は、早産児が聞いている音をもっと意識する必要があると言います。 本当に大切なところで騒音をモニタリングしていますか?  彼はさらに、いくつかの音、特に母親の声が早産児の発達にどのようにプラスの影響を与えるかを説明します。

臨床研究およびレビュー

NICUの騒音についてさらにお読みいただくための、ダウンロード可能な文献リストと記事をご覧ください。

サウンドソリューションの導入

音環境づくり

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どうすれば赤ちゃんをネガティブな騒音から守ることができますか? デザインとテクノロジーで何ができるでしょうか? 真新しいNICUを設計する場合でも、既存のスペースを改修する場合でも、スペースと機器を新しい方法で利用しようとする場合でも、騒音について慎重に考慮することが重要です。 ここでは、小さな患者の音環境を改善するためのアイデアを紹介します。

ガラスの窓とドアを組み込むことにより、モニタリングの視認性が向上し、不要な往来を最小限に抑えることができます。 オプションが利用できる場合は、モニタから保育器、光線治療装置に至るまで、保育器から音を遠ざける要素を備えた機器を選択します。 室内の壁や天井などには、吸音材料を利用しましょう。 ケア提供者や訪問者の意識を高めるためにサウンドイヤーを設置しましょう。 サウンドイヤーはまた、品質測定プログラムを実施するためのツールとしても使用できます。 さらに、医療用シーリングペンダントを使用して装置を搭載すると、装置の移動がより静かで簡単になります。

スペースを適切に利用することで、患者アウトカム、スタッフの効率、ご家族の満足度を向上させることができます。 騒音を抑えることを念頭におきながら、病院それぞれの二ーズに最も合ったデザインを見つけましょう。

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Babyleo® TN500

新開発のBabyleoは、従来の保育器の通常騒音レベル、40dB(A)よりも静かな動作音を実現しています。 センサが保育器内の騒音レベルを測定し、記録するため、医療従事者の騒音に対する意識を高めます。 MP3プレーヤーを接続して、ポジティブな刺激を与えることができます。

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ノイズ ディスプレイ SoundEar®

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Babylog VN800

nCPAPとHFOVは、広く使用されている換気法です。 赤ちゃんは何週間も人工呼吸器を使用しなければならないことがあり、これが児の小さな耳にどのような影響を与えるかを考える必要があります。 Babylog VN800を設計時に、これはすでに考慮されていました。

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BiliLux

BiliLux光線療法ライトにはファンがないため、動作中は20dBA未満と、実質的に無音であり、赤ちゃんの神経系の発達だけでなく、スタッフや保護者にも優しい環境を提供します。

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